スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | --/--/-- --:--

血脈 上 中

『これは暴露本じゃないのか?とか、読者を幻滅させるだけじゃないのか?とか言われ、考えもしましたが、書き終えてみれば、ハチャメチャなハチローも「お母さんの詩」を書くハチローも本当なのだと思えました。』 作者後書より
今朝NHKに佐藤愛子さんが出演されていて、新たな小説を書き上げられたとの事。血脈を読んでなんともいえない表現力と、観察の確かさとに惹かれていただけに小躍りしたい気分でした。


がんばって、というより面白くて止められない血脈読んでます。
過去には、サトウハチローを唐沢寿明さんが演じてドラマ化もされてるようです。



「秋風の中に唄う」、これを読み解きたくて読んでいます。
上、中、読破しました。なんじゃこりゃ~~~?です。




上巻を読み終えたときは確かにがっかりしました。この本の中のサトウ・ハチローはこれ以上ないというくらいの不良で、自分勝手で乱暴で、警察沙汰にもなるような人物でした。

父に勘当を受け、その弟子の福士幸次郎という詩人の世話により、作詞家への道を見つけます。しかし、家族から見ると、その詩はまるで嘘ばかりの、見せ掛けだけの、やさしいことを書き連ねたものに思えるのでした。

実際、ハチローの生活ぶりは常軌を逸していました。最初の離婚をした後は、二度目の妻子と前妻の子供、そして妾との二重生活というあきれたものだったのです。

壮年期には売れっ子作家となりメディアにももてはやされ、もはや彼の力が彼の行状を正しいものとさえ人々に思わせる力を持っていました。


このあたりまで読んで、「秋風の中に唄う」はどうでも良くなってきました。


福士幸次郎の葬儀の日。人々が焼香の列を作る中、どかどかと足音も猛々しく入ってきたかと思うと、灰を一掴み投げ入れ、しばらく手を合わせ、誰に挨拶することもなく慌しく帰っていきました。

愛情で結ばれた2度目の妻があっけ無く亡くなった。弔問に訪れた人々に、故人とは関係の無い世間話を面白おかしく話し続け、お悔やみを言われる事を避け続けました。やがて、独りになった仏間で目にいっぱい涙をため、ひとりお線香を上げるハチロー。

父の通夜の日。しんみりと寄り集まった人々に、個人とは関係のない話題を振りまいて、また聞かされたほうもしょうがなく話に釣り込まれ、いつしか笑っている。話すだけ話すとまたさっさと帰っていってしまった。



自分勝手で人に愛情を見せるなどということはなかった彼でしたが、見せないことが逆にあふれるほども愛情を持っていたのだと思われました。

やろうと思えばいくらでもいい人を演じる事も出来たでしょう!しかし、そんなことは佐藤家の人々は誰もしなかったんじゃないのかな?余りにも正直に自分をさらけ出し欲望のままに生きた人々だからこそ、あのお母さんの詩、秋風の中に唄う、につながっていくのだと思われました。


秋風の中に私は唄う

森で見つけたクルミの殻に黒い涙のシミがある

枝に泣いてるカケスの声がやけにこの頃かすれてる

それを それを それを それを 私は唄う♪


下巻を楽しみに読みましょう!





よろしければクリックお願いします。






読書 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2009/05/01 23:03
コメント

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。